近田春夫/週刊文春「考えるヒット」でつんく♂&シャボン玉を酷評

にて、モーニング娘。「シャボン玉」が酷評されているそうです。
http://www.akarik.org/tdiary/20030820.html#p08
見てきましたよ(買ってはいません)。

で、彼(=近田氏)の文章に対する批評なんですが...

うーん、考え方が表面的&抽象的で整理されていない印象で、何とも分析し難い文章だなあ...ってのが感想。
意図的にこのような文章を得意としているのなら、作為的であるので、それはそれで良いんだけど、どうもそうでは無さそうですね。
安斎氏のイラストがそれを物語っているようで、とても悲しい(笑)。

それと、良い批評は何かしらアドバイスというか、こうしたら良いんじゃないか的なニュアンスを盛りこむものだと思うんだけど、それが無い。しいて挙げればLOVEマシーンの頃に戻りなさいなんですかねえ。
ここが彼(くどいようだけど近田氏ね)が大ヒットを飛ばせない大きな原因なんだと思う(笑)。
今年リリースされた彼の作品を、彼自身で分析し批評することが出来ますか?

ヒットって思いがけず飛ばせるものかもしれないけど、そうではなくて、やはり充分考え抜いて、吟味して、突き詰めていかないと飛ばせないものだと思う。
よくあるパターンで、これがダメだったら田舎へ帰ろう的な崖っぷちに立たされたなかで、大ヒットが生まれることがよくあるよね。
でも、そのような極限状態で、それを瞬時に判断出来る人間がヒットを飛ばせるんだと思う。

つんく♂氏の場合、これがクリア出来なければ田舎へ帰れなんてもう言われないだろうけど、こういう批評が常に書かれるであろう状況下、そういうプレッシャーは、経験の差こそあれあまり変わらないものだと思う。
そういう極限状態に近い緊張感を常に持続していかないとダメなんだということが、つんく♂氏のエネルギーになっている点に着目した方がいいよね。
基本的に多作家だから傑作は年に数曲もないかもしれないけど、一定水準以上は常にキープしていかなければいけない。
これが流行作家の宿命ですね。
彼は流行作家好きだと思ったんだけどなあ...結果的につんく♂一人で書いているだけで、基本的には娘。はシンガーソングライターじゃあ無いんだから、一話完結スタイルなんですけどね。

だから単純に曲批評から話を膨らませるスタイルで書かないとダメだよね。
あくまでもヒットは曲だからね。
つんく♂がダメだから今回のシャボン玉もダメ...じゃなくって、シャボン玉がダメなのは、こういうことなんだよという論点だと彼の話も纏まるんじゃないかと思います。

一方、後半のCD「男の世界」に関してはノリノリで、このひと結局好き嫌いがハッキリしてるんだねえ(笑)って言うのが結論ですね。
つーか、田口トモロヲ氏の為に、早くプロジェクトXで丹頂化粧品を取り上げて欲しいと切に願う私としては、強力なライバル登場ですね。