電子透かしとJ-MUSE(その2)

以下は感想。
(つーか、印象と推測だね(笑)。)

私はスペシャリストではありませんので、電子透かしに関する技術的なことは知りませんが、個人的にはこのような埋め込み技術の話から、直ぐに連想したのがクローズドキャプションシステム。
映像の走査線に文字列を埋め込み、専用のデコーダーを介して画面に字幕を表示させるという、米国で広く採用されているシステムで、日本のCSでもスタートレックシリーズで使用しておりました。我家にもあります。
で、これはVHSや8mmビデオで録画・ダビングしてもCC情報は保持されるので、繰り返し楽しむことが出来るのですが、それをさらに複雑にしたイメージかなあ...とは思っておりました。
ただ単純なキャラクタ情報なら簡単に除去できるんだけど、その様なキャラクタやコード等ではなさそうですね。

また、透かしという名称をが使われる所以として、まるで(先日のトリビアの泉で紹介された)パスポートにブラックライトをあてると”個人を特定できる”透かしが見える様に、何かが浮き出てくるからなんでしょうね。そのブラックライトに相当するものがヒ・ミ・ツ(笑)なんだと。

それと、圧縮した音声でもOKって、まるで声紋を使用したセキュリティーシステムで、多少の風邪声や二日酔い(笑)でも認識する...ってことに似てますね。つまり圧縮により多少破壊されていても個体を特定できるということなんでしょう。

また、実験ではFMを使用していることから、理論的にはアナログディスクやカセットテープでも埋め込み可能な技術かもしれません。このあたりがJASRACが興味を示している重要なファクターなんだと思います。

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以下はアンダーグラウンド界の今後の展開を推測。

UG方面では、透かし特有の情報を解析して無効化する方法とファイル自体を偽装化(あるいは暗号化)し、追跡不可能とする方法を考えると思われます。

透かしって、ドローソフトよりペイントソフトに近い感覚なのかなあ。
ドローソフトならば不要な図形を消すのは簡単ですが、ペイントソフトだと消すのは困難ですしね。
無効化は、透かしで劣化した音声をさらに劣化させることになりますから、偽装化のほうが流行る可能性がありますね。安全性(苦笑)をとるか音質をとるか...

偽装化といえば思い出すのが(笑)、そのむかし、NIFTYの画像系フォーラムにあった、”反転された細かいブロック状の塊”がある部位にあしらわれた女性のJPEG画像なんだけど、あんな感じですかね(笑)?
つーか、コアテックみたいな感じになるんじゃないかと思います。

但し、当然のことながらデコーダーが必要となりますので、再生段階で御開帳...じゃなかった(笑)、透かしが再現されてしまうことには何ら変わりはないでしょうから、相当なイタチごっこが展開されると思われます。

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以下はアンダーグラウンドではない方面の今後の展開を推測。

今回の記事は音声データに関しての記事ですが、音声+画像=映像ですから、音楽データだけではなく(静止)画像データにも応用できそう。
そうすると「肖像権」、つまりJAMEあたりも歓迎しそう。
画像に関する電子透かしも当然のことながら存在しますので、JASRAC風に表現するとフィルターを増やせば済む話。
まあ手を組む可能性は低そうだけど(笑)。*1

またこの技術、もしアナログな媒体でも可能であれば、スキャン画像の元になるソース...つまり雑誌・写真集などの紙媒体にもインヴィジブルな透かしを入れ、市販のスキャナーで読み込んだ時にその辺の情報も取り込まれるなんて話も夢物語じゃなくなるのではないかと(笑)。

生写真に入れちゃうと、生写真じゃなくなるよな(爆笑)。

*1:金絡みじゃ無いからね。